書評ブロガーのあっきー(@AKKI_BOOK)です。
『自分の顔が嫌いですか?』(町沢静夫、ビジネス社、2018)を読みました。
世の中には「醜形恐怖」と呼ばれる、自分の外見・容姿について気にしすぎてしまう精神疾患を持った人がいるそうです。
この中には、実際は醜形恐怖のある人は美形な人も少なくないようです。
著者は精神科医として、そのような人たちを治療してきており、その治療からわかってきたことを多くの症例とともに紹介されております。
醜形恐怖の2つの治し方
1つは薬物療法。
醜形恐怖はうつ病や強迫性障害と併発することが多いそうです。
そのため、うつ病と強迫性障害に効果があるSSRIというセロトニンを増加させる薬がよく使われるみたいです。
もう1つは認知行動療法。
認知行動療法とは、ざっくり言うと、「ゆがんだ思考のパターンを変えよう」という治療法です。
本書でもいくつかの症例は認知行動療法で解決できていました。
たしかに醜形恐怖は本人の思い込みが多そうな話だなと読んでいて思いました。
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興味深かった部分
症例は興味深い話が多く、
顔の色が黒いので不登校になった男子高校生や、脚が長くて自殺してしまった女子高生など、「気にすることないのにな」と私は思う例が紹介されていました。
顔の黒いと思っている男子高校生は、野球部に所属していて、友人に「黒くなったな」と言われたのが悪い方向に解釈してしまい、不登校になってしまったみたいです。
結果としては、認知行動療法で思い込みを正しい方向に変えて登校できるようになりました。
感想
本書を読んで、初めて「醜形恐怖」という精神疾患があることを知りました。
些細なことだなぁと周りは思っていても、本人は重大なことだと感じている場合があるということを実感する本でした。
私も子どもの頃は自分の顔を「変な顔だなぁ」と思っていましたが、今は「おっ、イケてる?」なんて思うようになりました(笑)
あのまま気にし続けていたら、醜形恐怖になってたのかもなぁ。
「自分の顔が気になるなぁ」と思う方や、いろんな人の症例・治し方に興味のある方はお手に取ってみてはいかがでしょうか?
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