素手より軍手をした方が細かい凹凸がわかる!?

2019年1月16日水曜日

五感の科学 五感の科学:触覚 本の紹介(1冊)

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『触楽入門』という本を読みました。
『触楽入門』というタイトルは「触れることを楽しむことを始めよう」という意味だと思います。
タイトルの通り、読み終わったあとは身近なモノに触れることを楽しむようになりました。
おもしろかったところを3つ紹介します。

軍手をつけた方が凹凸がわかる!?

本書で一番面白かったのはこの話です。

熟練した職人は最終検査で自転車のボディの歪みを手でチェックするときは軍手をするそうです。
このように、軍手をつけると凹凸が分かりやすくなるということは現場ではすでに知られたことらしいのですが、どういう仕組みなのかということは名古屋工業大学の佐野明人博士たちが突き止めました。
佐野博士たちは、軍手で一般的に採用されているメリヤス編みという編み方が触覚の増幅に関与していることを発見しました。

軍手がその編み方で凹凸を増幅していたのですかね?
だとしたら、おもしろい偶然ですね(笑)

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手を温めると触覚の感度が上がる。

ある実験で、室温20℃の状態から、お湯に手を浸して30℃~40℃に皮膚の温度を上げると、250Hzの振動を感じ取る力が2~6倍になったそうです。

どうして手の温度を上げると感覚が鋭くなったのでしょうか?
それは、感覚を伝える神経にはイオンや神経伝達物質のやり取りが関与しており、それらの物質は温度が高いときに活発になるからだそうです。

音は触覚の質を変えてしまう。

ポテトチップスの食べる音を高くすると、パリッとした感覚が増しているように思うという研究はイグ・ノーベル賞を受賞していることからも有名な話です。

この音を変えることで感覚を変えてしまう他の例が本書には紹介されていました。
それは、手を擦り合わせたときの音を録音した実験です。
この録音した音の中で、高音(2キロヘルツ以上)だけを強調して聞かせると、手の感覚が滑らかで乾いた感じに変化したそうです。
また、逆に高音を弱くすると、荒く湿った感触になるそうです。

この現象はParchment-skin illusion(カサカサ皮膚の錯覚)として知られています。

また、触れているときに生じている音と無関係の事でも、粗さの知覚に影響与えるようです。ホワイトノイズと呼ばれる雑音を聴きながら触るだけでも、指先で感じている粗さが際立つという研究結果があります。

この実験は音の編集の仕方を覚えて自分でやってみたいですね~。

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紹介した本

本書は五感に興味のある方にオススメです。

自己紹介

あっきー

大学4年間で1,000冊読了。このブログでは、心理学、生き物などのオススメ本について紹介していきます。

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