ここでは、『あざむかれる知性』に書かれていたエビデンス・レベルを参考にして、書いていこうと思います。
レベル1
一番、信頼度の高い研究はランダム化比較試験のシステマティック・レビュー、盲検法的な手法によるランダム化比較試験、効果の高い症例の累積研究です。患者を実験群と統率群にランダムに割り当てる試験をランダム化比較試験と言います。
システマテック・レビューとは、一つのテーマについての数ある論文を集めてメタ分析をした論文、つまり、多くの論文をまとめた論文です。
そして、盲検法について。
効くかもしれない薬Aと何も入っていない薬Bがあるとします。
医者が薬Aを患者に渡すときに、医者の治ると思ってしまったのが顔に出てしまい、それが患者に伝わって、プラシーボ効果で治ってしまうかもしれません。
それを避けるために医者には薬AとB、どちらなのかわからないようにします。
そのように検査する方法を盲検法と言います。
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レベル2
コーホート研究のシステマティック・レビュー、追跡率80%のコーホート研究、死亡率や罹患率などの明確な尺度による研究。コーホート研究とは、いくつかの年齢の集団を何年かにわたって追跡する研究です。
コーホート研究はある時点から将来を見ていくということで前向き研究で、因果関係を調べるのに役立ちます。
レベル3
症例対照研究によるシステマティック・レビュー、盲検的で客観的な比較を行った症例対照研究。症例対照研究では、例えば、癌にかかった人とそうでない人の環境条件などを比較する研究があります。
これは、すでにかかった人を集めて調査しているので、過去を見るということで後ろ向き研究のです。
この調査方法では、患者に何を測られているのか知られているかもしれないので、バイアスが入りやすくなっています。
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レベル4
症例を集めた研究、質の低いコーホート研究、症例比較研究。レベル5
専門家の意見まとめ
『あざむかれる知性』の著者は、論文を調べる過程でほとんどの研究は盲検化されていないことがわかり、99.99%の論文は読む価値がないと言っていました。科学的な結論を得るにはシステマティック・レビューを読むのが一番だそうです。