久しぶりに読書論について書かれた本を読みましたが、やはり読書家は皆さん同じようなことを言っていますね。
私も本書の主張にほぼほぼ同意でした。
本書の内容
本書の著者は『嫌われる勇気』を書いた岸見一郎さんです。著者の今までの本との向き合い方、読み方、選び方が書かれています。
章は以下のようになっております。
第1章 なぜ本を読むのか
第2章 本との出会い
第3章 本はどう読めばいいのか
第4章 読書の悩み
第5章 本で外国語を学ぶ
第6章 インプットからアウトプットへ
激しく共感したところ
同じ川には二度と渡れない
本書の60ページでは、ギリシアの哲学者のヘラクレスの言葉、「同じ川には二度と渡れない」を引用しています。同じ川を渡るときでも流れが変わっており、別の川になっているように、同じ本でも同じように読むことはできないと話しています。
たしかに~!!!
前回と同じ気持ちで読むこともできないし、また、新たな発見もするので同じ読み方はできないんですよね~!
小説だと中学の時に感動して読んだ本が今は感動しなかったり…。難しいと思っていた本がすらすらと分かるようになったり…。
読むたびに表情を変える本って素敵だと思います☆ミ
1日1冊読むと決めると薄い本しか読まなくなる
著者も1日1冊読むことを目標にしていた時期があったそうです。そのような時期には、読書を楽しむのではなく本を読むことが目的になってしまい、目標達成のために薄い本を読む傾向になってしまったそうです。
著者はこのような経験から、「何冊読むか」に囚われないようにしないといけない、と説いています。
私も月に何冊を目標にしていたことがあったので、その時は内容もページ数も少ない本を選んで読んでいましたね…
冊数が伸びるからそれはそれで楽しいのですが、なかなか自分の頭を苦しめるような読書ができなくなるのは考え物だと思いました。
研究者は必要になった本は本棚からすぐに取り出せないといけない
著者は高校の先生から「研究者というものはもいも今何かの本が必要になった時に直ちにそれを自分の書棚から見つけることがいけない」と聞き、驚いたことがあります。研究者になった著者は今、あながち誇張ではないような気がしているそうです。
この文章を読んで、「私も、何の本が突然必要になるかわからない!」と思って、実家からたくさん本を持ってきてしまいました(;^_^A
おもしろいと思ったところ
小説と哲学の関係
小説を読むことで、他者の人生経験を知ることができます。哲学はこの他者の人生経験を念頭に置いて読むと理解が深まるそうなのです。
どうやら哲学の理論を理解するためには、具体例である自分の経験、対人関係など、様々な経験がある方が理解がしやすいから、小説を読むといい、ということだそう。
ふむふむ、まあ確かに他の学問でも周りのことに置き換えたり関連付けるといいって言いますもんね。
他の学問の勉強の役にも立ちそうだし、小説読もうかなぁ…
過程を楽しまないと読書の意味はない
著者は結論だけを読んで理解する読書方法に反対みたいです。結論に至るまでの長い話は、長い話である必然性があるはずだということで、結論までの過程も楽しみましょうと説いています。
好きな人の読んだ本を読んでみるのも楽しいよ
著者は亡くなった母の読んでいた本を読んで、どんなことを考えていたのかを知りたいという体験をしました。自分では読まない本を買うのもいいね
著者の父が読まなかった本を著者が読むことがあり、その本がきっかけで文学部を知りました。このように自分が読まない本をほかの誰かが読むかもと思って、取っておくのも素敵だと思います。