ネーム・レター効果(name-letter effect、名前文字効果)という効果をご存じでしょうか?
これは、自分の名前が入っているものに無意識に好意を感じる効果のことです。
自分と同じ名字の人や、似た名前の商品に何となく好意を持ったことがある…というのはこのネーム・レター効果が関わっているからです。
どうしてネーム・レター効果という効果があるかというと、自分のことを無意識に好いているからだそうです。
それが、自分の名前に似たものに好意があるという現象に繋がるんですね。
最近、ネーム・レター効果の研究が好きで、色々と論文を探してました。
論文を読んだら、紹介していこうと思います。
まずは、一本目(1)
古いですが、1985年のNuttin, J. M. の実験です。
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『Nuttin, J. M.(1985). Narcissism beyond Gestalt and awareness: the name letter effect.』より引用 |
左図のように、自分の名前の入った2列(図だと自分の名前はZajonc Robert、実際には点線は入っていない)と一緒に実験をする人の名前(Rijsman John)が入った2列の紙を2人に提示します。
一部の名前の文字が抜けているのは共通する文字を省いているためです。
そして、できる限り無意識に魅了的だと思う文字を自分の名前の入った文字の列から1つづつ、さらに相手の文字の列から1つづつ選んで行きます。
TとDだったら、Tがなんか魅力的だと思ったら、Tに丸をつけるかDにバツをつけるか、次に、RとFでRが魅力的だったら…みたいな感じ。
右図の場合も3列ですが同様に最も魅力的な文字を選んで行きます。
ちなみに、前もった調査で100人の大学生にこの紙の法則性をお金を渡して見つけるようにお願いしても分からなかったそうです。
なので、実験に参加した人は自分の名前が入っているなんて気づかなかったみたいです。
そして、1つ目の実験では、小学2年生から6年生の女の子38人に取り組んでもらったところ、自分の名前に含まれる文字を選ぶ割合が高い結果が出ました。
2つ目の実験では小学生よりも文字をよく見ている大人96人(うち32人が女性)を48組にグループ分けして自分の名前リストと相手の名前リストを評価しました。
こちらも結果は自分の名前をより選びました。
具体的には、2文字から1文字を選ぶ場合、自分の名前リストから自分の名前を選んだ割合は61.9%だったのに対し、相手の名前リストから相手の名前を選んだ割合は51.9%でした。
3つの文字の場合、自分の名前リストから自分の名前を選んだ割合は61.9%に対し、相手の名前リストから相手の名前を選んだ割合は30.3%でした。
2つからどちらかを選ぶ確率は50.0%、3つからだと33.3%ということを考えると、相手の名前を選ぶのはほぼ偶然だったということですね。
また、読んだら紹介していきます(^^)/