『新心理学ライブラリ=9 性格心理学への招待[改訂版] ー自分を知り他者を理解するためにー』(詫摩武俊ほか3名、サイエンス社、2003)を読みました。
面白かった研究があったので、メモ。
依田明ほかの研究です。
この研究では3回の調査を行なっています。
1回目は1963年。小学校4年生から中学2年生までの140名とその母親。
2回目の調査は1980年。小学校5年生の子供187人とその母親が対象。
3回目の調査は1985年。対象は小学校4年生から中学校2年生までの3人きょうだいの525名とその母親。
3回の調査で共通している長男また長女の性格は次の3つであることがわかりました。
1. 仕事が丁寧
2. 面倒な事はなるべくしないようにする
3. 何かと控えめである
次男または次女の性格は次の7項目が共通していました。
1. 父母に甘える
2. 親につけ口をする
3. 依存的である
4. お調子者である
5. 嫉妬深い方である
6. 外で遊ぶことが好き
7. 知ったかぶりをする
この調査から、時代の影響あまり受けずに正確に共通点があることがわかりました。
ただ、小学生の時や中学生の時に見られた姉妹と性格との関連性が大人になっていくときに変化していくものなのかあるいは継続していくものなのかは今のところ結論が出ていないと書かれていました。
しかし、その後の研究(パレオな男『生まれ順で性格が変わる!笑顔で寿命がわかる!って説が否定された件』)で生まれ順と性格には相関関係がないことがわかっています。
メタ分析なので、確かですね。
本には依田さんの研究がいつのかは書かれていなかったのですが20世紀のものでしょうね。
生まれ順が性格に関係ないのはちょっと残念。