「フロー」とは、「1つの活動に深く没入しているので他の何ものも問題とならなくなる状態、その経験それ自体が非常に楽しいので、先生にそれをすることのために多くの時間や労力を費やすような状態」(『脳を最適化すれば能力が2倍になる』樺沢紫苑、文響社、2016の311ページより引用)
のことです。
目次
2. フローに入る7つの条件(TED話していること版)
3. 『フロー体験 喜びの現象学』によるフローを生む過程
4. 『フロー体験入門』によるチャレンジとスキルの関係
5. メンタリストDaiGoさんが提示するフローの9つの構成要素
6. 樺沢紫苑先生が提示する「日常的な仕事の場面でフローを生むための準備過程」
7. ちょっと長いまとめ
1. フローに入る7つの条件(TEDスライド版)
まず、フロー体験の提唱者、チクセントミハイ教授がTEDで「フローに入る7つの条件」を紹介しています。
チクセントミハイ教授のTEDでの話
ただ、チクセントミハイ教授の話している内容とスライドの内容が「対応していないのでは?」と思ったので、別々に紹介します。
フローに入る7つの条件(スライド版)
①今していることに完全に集中していること
②日頃の現実から離れたように夢中になること
③何をどのようにすれば良いか理解していること
④成し遂げるのに十分なスキルがあると理解していること
⑤心配事がなく、我を忘れている感覚があること
⑥時間が歪んでいる感覚があること
⑦活動自体に価値があること
フローに入る7つの条件(話していること版)
①自分が何をしたいのかわかっていて、
②ただちにフィードバックが得られること
③何をする必要があるか分かっていて
④それが難しくても可能なことで
⑤時間の感覚が消失すること
⑥自分自身のことを忘れてしまうこと
⑦自分はもっと大きな何かの一部であると感じること
上のスライドのときにこの条件を話していたのに、条件が対応していないように見える…。
③何をどのようにすれば良いか理解していること
④成し遂げるのに十分なスキルがあると理解していること
⑤心配事がなく、我を忘れている感覚があること
⑥時間が歪んでいる感覚があること
⑦活動自体に価値があること
2. フローに入る7つの条件(TED話していること版)
フローに入る7つの条件(話していること版)
①自分が何をしたいのかわかっていて、
②ただちにフィードバックが得られること
③何をする必要があるか分かっていて
④それが難しくても可能なことで
⑤時間の感覚が消失すること
⑥自分自身のことを忘れてしまうこと
⑦自分はもっと大きな何かの一部であると感じること
上のスライドのときにこの条件を話していたのに、条件が対応していないように見える…。
3. 『フロー体験 喜びの現象学』によるフローを生む過程
このTEDよりも前に出版された『フロー体験 喜びの現象学』(M.チクセントミハイ(著)、今村浩明(訳)、世界思想社、1996)の123ページに、フローを生む過程が挙げられています。
フローを生む過程
(a)全体目標を設定し、現実的に実行可能な多くの下位目標を設定すること、
(b)選んだ目標に関して進歩を図る方法を見つけること、
(c)していることに対する注意の集中を維持し、その活動に含まれる様々な挑戦対象をさらに細かく区別すること、
(d)利用しうる挑戦の機会との相互作用に必要な能力を発達させること、
(e)その活動に退屈するようになったら、困難の度合いを高め続けること
4. 『フロー体験入門』によるチャレンジとスキルの関係
その後に出版された『フロー体験入門 ー 楽しみと創造の心理学』(M.チクセントミハイ(著)、大森弘(監訳)、世界思想社、2012)では、チャレンジとスキルの度合いがフロー体験にどうか変わるのかわかりやすい図で描かれています。
『フロー体験入門』によるチャレンジとスキルの関係
この図によると、チャレンジとスキルはどちらかが低いとフローに入れないことを示しています。
5. メンタリストDaiGoさんが提示するフローの9つの構成要素
メンタリストDaiGoさんが『「好き」を「お金」に変える心理学』でフロー体験の8つの構成要素を紹介していました。
①明確な目的
②集中
③自意識の低下
④時間の歪み
⑤レスポンスの速さ
⑥適切な難易度
⑦自分で状況をコントロールしている感覚
⑧活動自体に価値を見出すことができる
DaiGoさんはこれにプラスして、
⑨他者に妨害されない環境
を提示しています。
6. 樺沢紫苑先生が提示する「日常的な仕事の場面でフローを生むための準備過程」
樺沢先生は、「日常的な仕事の場面でフローを生むための準備過程」で以下のことをフローに入るためにすると良いと書いています。
①長期目標と短期目標を設定する
②今日やるべきことを「ToDoリスト」に落とし込む
③ToDoリストへの落とし込みは、可能な限り詳しく行う
④ToDoリストの各項目に制限時間、また終了時間の目安を書き込む
⑤終了したらToDoリストを斜線で消して、進捗状況を把握する
⑥チャレンジの精神を大切にする
⑦適度な難易度の課題を設定する
⑧仕事に必要なスキルを日ごろから磨いておく
7. ちょっと長いまとめ
まとめてみたところ、「じゃあ、実際、フローに入るには何をすればいいの?」という問いに簡潔に答えているのは樺沢先生の提案以外にないんじゃないかなーと思います。
他の「フローに入る条件」は入っているときの気持ちや条件だったり、難しくて実践しづらかったりすると感じました。
そこで、以上から、私が思った「フローに入るために必要なこと」をまとめてみたいと思います。
取り組む前にする手順
①最終的な目標と今目指す目標を決める。
②何をすれば良いかはっきりとわかる。
フローに入る前に前もってできること
①自分の気持ちや環境に邪魔をするものをなくす。
②フィードバックがすぐ得られる仕組みを作る。
③取り組むことを自分のスキルに見合った適切な難易度にする。
④していること自体に楽しいと感じたり、興味が持てると感じる工夫をする。
フローに入っているときは、していること以外のことを考えられないので、前もって準備しておくことが大事かなと思います。
取りあえずこんな感じ