最近、ブルマーの本を引っ張り出してきて読み直す機会があったので、面白かった話を書きます。
ブルマーの言葉の由来は?
ブルマーという言葉は、アメリカのアメリア・ジェンクス・ブルーマーという女性の名前から由来しています。
1851年に膝下丈のスカートとゆったりとしたズボンを組み合わせたスタイルを着用し、彼女が発行していた機関紙「リリー」でもこの服装を紹介しています。
このころにブルマーは誕生したんですね。
ちなみに、このころのブルマーは昭和のころの体育で着ていたようなブルマーではなく、足先まであるダボっとした服です。(Google画像検索)
この服装はブルーマー・コスチュームと呼ばれ、アメリカだけでなくイギリスでも反響があったそうです。
しかい、当時、からかいや非難の的となったため、ブルーマーは8年で着用をやめてしまいました。
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日本にどうやって来たの?
アメリカでは結局、このブルーマー・コスチュームは日常着として定着しませんでした。
しかし、1880年代のアメリカのある学校の女生徒のユニフォームとしてブルーマー型パンタロンとセーラー服として採用されたそうです。
このユニフォームを女子体育について学ぶために1899年に文部省の官費留学生としてアメリカに留学していた井口阿くりという女性が日本で女子の体操着として1905年に提案しました。
紹介した当初は一部の先進的な女子教育機関のみに採用されていたそうですが、1920年代には女子の体操着は和装やショートパンツとバリエーションが多くなっていた中で、ちょうちんブルマーの姿も一般的になっていたようです。
1930年代や1946年もちょうちんブルマーの体操着の姿が確認されていますが、ちょうちんブルマーの丈は短くなっています。(Google画像検索)
参考文献
山本雄二『ブルマーの謎 〈女子の身体〉と戦後日本』青弓社、2016年
高橋一郎萩原美代子谷口雅子掛水通子角田聡美『ブルマーの社会史 女子体育へのまなざし』青弓社、2005年