前回では「神経系」は中枢神経系と末梢神経系の総称という話をしました。
今回は、神経細胞のいろいろな用語について書いています。
図2には用語が神経細胞のどの部分を指しているのか、文章にはどんなはたらきをしているのかについて書いています。
1-2神経細胞のつくり
その4つとは細胞体(cell body)、樹状突起(dendrite)、軸索(axon)、シナプス前終末(presynaptic cell)です(図2)。
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図2「神経細胞のかたちと用語」 神経細胞は細胞体、樹状突起、軸索、シナプス前終末の4つの部位からなる。軸索にグリア細胞が巻き付いており、それを髄鞘、その間をランヴィエ絞輪と呼ぶ。シナプス前終末と樹状突起が接した部分はシナプスと呼ばれる。 |
細胞体には核や小胞体が含まれており、生命活動に必要な代謝と呼ばれる化学反応が行われています。この細胞体から通常、2種類の突起が伸びており、それぞれ樹状突起、軸索と呼ばれます。
樹状突起は木の枝のように先端で分かれている形になっており、他の神経細胞から情報を受け取ります。図2では、数本の樹状突起が描かれていますが、神経細胞の形によっては、1本しか樹状突起が伸びていない神経細胞もあります。
軸索は樹状突起とは違い、どの神経細胞でも細胞体から1本だけ伸びて枝分かれしています。長さは神経細胞ごとに異なり、0.1 mmの軸索から2 mのものまであります。軸索はその0.1 mmから2 mの距離にあるほかの神経細胞に活動電位(action potential)と呼ばれる電気シグナルを伝えます。
いくつかの軸索には次回登場するグリア細胞が巻き付いています。これは髄鞘と呼ばれ、軸索に一定の間隔で巻きついています。そして、この数個の髄鞘の間の巻きつかれていない軸索の部分をランヴィエ絞輪と呼びます。
髄鞘は活動電位が軸索の末端に速くたどり着くために存在し、ランヴィエ絞輪は小さくなっていく活動電位を再生するために存在しています。
神経細胞の軸索と隣の神経細胞の樹状突起は接しており、シナプスと呼ばれる領域をつくります。情報は軸索から樹状突起に伝わるため、シナプスの軸索側の神経細胞はシナプス前細胞、樹状突起側の神経細胞はシナプス後細胞と呼ばれます。
神経細胞の軸索と隣の神経細胞の樹状突起は接しており、シナプスと呼ばれる領域をつくります。情報は軸索から樹状突起に伝わるため、シナプスの軸索側の神経細胞はシナプス前細胞、樹状突起側の神経細胞はシナプス後細胞と呼ばれます。
そして、シナプス前細胞のシナプスに接続している軸索の先の部分はシナプス前終末と呼ばれます。
(シナプスについてはまだまだ用語がいろいろとあるので、別に書きます。)
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まとめ
- 神経細胞は細胞体、樹状突起、軸索、シナプス前終末の4つの部位からなる。
- グリア細胞が巻きついている軸索があり、そのグリア細胞の部分は髄鞘、髄鞘の隙間はランヴィエ絞輪と呼ばれる。
次回はグリア細胞の種類について書きます。
参考文献
- カンデル神経科学