『なぜ、あの「音」を聞くと買いたくなるのか―サウンド・マーケティング戦略』を読み終わったので、書評します。
本書の内容は一言でいうと、「音をマーケティングにどう生かすかを心理学・神経科学・経営学的に紹介した本」です。
本書は特に以下の人にオススメです。
- 音の心理学に興味がある。
- 音をマーケティングにどう生かすか知りたい。
目次
- 著者紹介
- どんな内容?
- おもしろかったところ
- その1 雑音と味の関係の研究
- その2 ベーコンエッグのベーコンとエッグ、どちらの味がより感じるかの実験
- その3 「4分33秒」という無音の曲
- 感想
- 今回紹介した本
著者紹介
本書の著者はジョエル・ベッカーマン、タイラー・グレイの2人います。そのうちのジョエル・ベッカーマンは作曲家、テレビプロデューサーで、音楽・広告業界で数々の受賞歴を持っています。
また、ディズニーなどの大手の企業をクライアントとし、サウンド・マーケティングを専門として活躍しています。
本書を読んでいても、著者が実践したサウンド・マーケティングが紹介されており、音をマーケティングに取り入れることを実践して成功しているという点で信頼できる著者だなと思いました。
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どんな内容?
本書はサウンド・マーケティングと呼ばれる音でマーケティングをする方法を説いています。例えば、石焼き芋やわらび餅の曲って頭に残りやすいですよね?
また、macの起動音はmacが正常に動いていることを教えると同時にやる気にさせてくれます。(mac使ってないからわからんけど)
このように音や音楽はマーケティングに使えるよ~ということを教えてくれます。
あとは、心理学・神経科学の点からも音で人を操るみたいなことが書かれていました。
おもしろかったところ
個人的に面白かったところを3つ紹介します。雑音と味の関係の研究
2012年、マンチェスター大学で行われた実験です。雑音が味に変化を及ぼすかどうかについて調査されました。
結果は、80デシベルの白色雑音を流すと、風味や塩気、そして甘さに対する味覚が鈍くなることが分かりました。
さらに、その80デシベルの白色雑音では歯ごたえに敏感になることが分かりました。
また、この研究では飛行機の中で機内食が味気なく感じる原因の1つは飛行機のエンジン音だろうと言っているそうです。
ベーコンエッグのベーコンとエッグ、どちらの味がより感じるかの実験
イグ・ノーベル賞をポテトチップスのパリパリ感の実験で受賞したチャールズ・スペンスの実験です。実験には彼の創作料理、「ベーコンエッグのアイスクリーム」が用いられました。
この料理を食べている最中、ベーコンがジュージュー焼ける音を聞くと、ベーコンの味が卵の味に勝っていると被験者は答え、雌鶏の鳴き声を聞きながら食べると卵の味のが勝っていると答えたそうです。
この2つの実験で音は味覚を操ることが分かりますね。おもしろい!
「4分33秒」という無音の曲
「4分33秒」という無音の曲があることを初めて知りました。こちらの動画で聞けるので、よければぜひ(笑)
この曲の考察はネット上で色々とあるそうですが、本書の著者は「この曲は周りの音を鑑賞させることにあると言われている」と言っています。
今、「4分33秒」を聞いていたんですが、音が流れてびっくりしたw
曲が終わって、別の曲に行ったそうです。
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感想
他にも心理学の実験は3章に紹介されているので、音の心理学の実験が気になる方はそこを読むと面白いんじゃないかなと思います。本書を読んで、いろいろおもしろい実験を知ることができたのが一番の収穫でした。