周りにも読んでいる方がいて、おもしろいということなので、誰に勧められるでもなく自発的に読みました。
ネタバレなしのおもしろかったところ・感想と、ネタバレありの感想を書いていきます。
本書は5つの短編が含まれています。
テレビ番組の『世にも奇妙な物語』が好きなので、とても楽しめました(^^)
おもしろかったところ
『世にも奇妙な物語』との類似性がすごい
それぞれの話の始まり方が『世にも奇妙な物語』と似ていました。
どういうことかというと、本書では少し話が進んだところや何かがはじめに届いたところで、その話のタイトルが書かれています。
テレビ番組の『世にも奇妙な物語』も話がちょっと進んで、タイトルが映し出されるのですが、それが表現されていると感じました。
他にも、場面転換の仕方、謎を解き明かしていく過程や終わり方が『世にも奇妙な物語』を忠実に再現しているように感じました。
文字を追っていて、映像が思い浮かびます。
感想
1話目は怖い話で、防犯しようと思いました。
内容が信じてた人に裏切られるという感じで、「自分はどの辺に住んでるか初対面の人に言いがちだし、人を信じすぎている…」「自分の周りに悪い人はいないと信じきっている…」と反省しました。
夜に読んだので、寝るのが怖かったなー(笑)
ここから先ネタバレあり
それぞれの内容を抽象化すると『世にも奇妙な物語』によく出てくるパターンがわかるのかなぁなんて
1話目は、主人公の過去に何かあったパターン。これのオチは、そのひどい過去が最後に繰り返されるというものでした。
主人公がよく見る夢がオチに現実化するというのもテレビ番組の方ではよくありますよね。
この話の内容は主人公以外は謎を共有していて、主人公がその謎に踏み込もうとするものでした。これもよく見るパターンだなぁと思います。
2話目は変な法律ができちゃうパターン。周りはそれに疑問を感じないけど、主人公はそれに違和感を感じているという内容で、これもよくありそうな話。
今回は「リア充裁判」というタイトルで主人公を含めた3人の裁判が行われます。主人公の前の2人は一般大衆がよく取る行動をしていて、最後の主人公は違う行動をしてるけど受け入れられたみたいな進み方でした。
オチは夢オチだったのかな。それもテレビ番組の方だとありますよね。
3話目は、主人公は周りと違う考えを持っていて反対されていたけれど、やってみたら周りから称賛の声をもらったという内容。
オチは、先生である主人公のいた幼稚園で採用されていた園児を順番に主役にしていこうという提案を、園児の母親も先生たちを順番に主役にしていこうとしてたというオチ。
わたしたちが作った仮想世界を観察していたと思ったら、わたしたち自身も別の人たちが作った仮想世界の住人にすぎず、観察されていたというような話に似てるなぁと思いました。
主人公たちが使っていた方法を別の人たちが主人公たちに使っていたよ、という入れ子構造みたいなオチもよく見るなぁと思います。
第4話は夫の浮気を疑っていて自分も浮気みたいなことをしてしまった。けれど、夫は浮気をしていなかったと知って安心したけど、夫に自分の浮気がバレちゃったよというパターン。
オチは自分が他の人にしてた迷惑なことを子どもにされてしまったというオチでした。
第5話はこれまでの4話までに登場した脇役を演じてきた人が集められて、脇役っぽいことをした人は脱落していくという話。
今までの話のメタ発言をするというのがよくあるのかなぁ、と。
オチは最後に残った脇役が、主人公の魅力を持った人を前に「やっぱオレ、脇役だわ」と再認して脱落していくというオチ。
今までの役職・現状を抜け出したくてがんばったけど、最後にその役職・現状が自分のとどまるところだと諦めてしまうパターンもテレビにありそう。
あまり抽象化して書くと伝わらなくなりそうだったのであらすじも少し書いたけれど、以上のように抽象化できるのかなぁと思いました。