図書館で本書を見つけて、「俺のこと言われてる~~~(笑)」と思って借りました。
今回は本書の書評をしていきます。
目次
- 著者紹介
- 本書の内容
- おもしろかったところ
- ーマスクはウイルスや菌の侵入を防ぐ効果はほとんどない?
- ー漢方のメリット
- ー中国の生薬、槐耳(かいじ、Huaier)に明らかに抗がん作用があることが判明
- 感想
- 今回紹介した本
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著者紹介
著者の新見正則先生はオックスフォード大学で医学博士を取得しており、現在は医師をしております。また、新見先生は2013年にイグ・ノーベル賞を受賞しています。
イグ・ノーベル賞とは、1991年に創設された「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられるノーベル賞のパロディーです。
教養書を読んでいると結構出てくるので、有名な章なんだな、と私は思っています。
ちなみに、新見先生は「心臓移植手術をしたマウスにオペラを聴かせることで生存期間が延びた」という研究で他6人とともに2013年のイグ・ノーベル賞の医学賞を受賞しています。
なんでオペラ(?_?)
本書の内容
本書は『健康マニア、何が楽しい 体にいいことばかりやってて疲れない?』というタイトルの通り、「健康に気を使ってて、逆にストレスが溜まっているんじゃない?」と主張しています。前半は「病気は怖がっているのに事故は気をつけてないよね。なんか病気に対して敏感過ぎない?」という話題から始まり、「長生きするより、元気に楽しく生きて死んだほうが良くない?」と提唱しています。
ピンピンコロリというものですね。
後半は西洋医学で発展していった薬もいいけれど、病気に効かないなら東洋医学の漢方も試してみたらという話にシフトしていっています。
私は「健康いいじゃん。漢方信じられない…」と思っているので、本書とは真逆の考えを持っていたので批判しながら読んでいきました(笑)
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おもしろかったところ
マスクはウイルスや菌の侵入を防ぐ効果はほとんどない?
マスクは自分の持っているウイルスをまき散らすことに対して防ぐ効果はあるらしいですが、外からのウイルスを防ぐ効果はほとんどないらしいです。(参考文献のってなかったから疑わしいけれど。)
「本当かなぁ?」と思って調べてみたら、いくつか情報が出てきました。
マスクの効果と正しい使用方法|感染制御室|診療科のご案内|自治医科大学附属さいたま医療センター
このリンク先によると、以下のことが書かれていました。
- マスクと顔の隙間からウイルスが入ってしまう。
- ウイルスは飛散してもすぐ下に落ちる。
- くしゃみや咳を直接浴びるときにマスクは真価を発揮する。
本書はマスクの効果はほとんどないと言っていますが、それでもつけることの予防の効果はありそうです。
漢方のメリット
本書の後半は漢方の話がちらほらと出てきて、最終的に「漢方いいよ!」という感じで終わりました。「タイトルと終わりの内容がかみ合ってないやん」と思いました。
漢方は今まで毛嫌いしていたので詳しくは知らなかったのですが、以下のメリットがあるらしいです。
- 西洋医学の薬に比べて副作用が少ないことで知られている。
- 薬と漢方でよりよい効果を狙っていきましょ、というスタイル。
- 漢方に明らかなエビデンスはない。
- 漢方の考えは生薬の足し算が基本。効きそうなものはどんどん足していく。
以上のようなことがわかりました。
「漢方は足し算」というのが西洋の逆のような気がして、とても面白いです✨
西洋では昔、学問は分けて考えるのが流行ったらしいし、薬もどれが効くのか、無駄なものを分けて考えていくスタイルだと思うので、東洋と西洋の違いなのかなぁなんて思いました。
「東洋は足し算、西洋は引き算」と言えるのか、さらに考えていくの楽しそう…
中国の生薬、槐耳(かいじ、Huaier)に明らかに抗がん作用があることが判明
へー( 一一)正直、漢方は効果がないと思っていたのですが、効果があるものがあったんだ!と驚きました。
でも、もしかしたら「発がん作用のある漢方」という逆のパターンもあるのではないかと思ったり。
今後の漢方の研究の成果が気になる情報でした。
感想
本書は私みたいにまだ若くて重い病気をしていない人にとってはどうでもいい内容になるのかなと思いました。でも、病気の状態の方や、お年寄りの方は「健康に生きられない…」、「長生きできない…」、「西洋医学の薬が効かない…」と不安になることがあると思います。
そんな人に「楽しかったら長生きしなくてもいいじゃない!」「西洋の薬は効果が出るか出ないかはっきりわかっちゃうけど、漢方だったら効くかも!」のように心を軽くしてくれる本なのではないかなと思います。
そういう人向けに書かれているというのが読んでいて伝わってきました。
自分には必要なかった本だけれど、他に必要な人がいる良い本でした!