表紙かわいい…
中身も表紙のキャラクターがマンガで登場していました。
内容は、
命題、真、偽、裏、対偶、逆、必要条件、十分条件、演繹、帰納など
高校数学で聞いたことがある用語がたくさん出てきました。
でも、著者は高校で国語を教えているらしいです。
国語も数学も「論理が重要」という部分が共通しているんですね。
本書の内容は高校数学を覚えていたら知っている内容もありましたが、新しく気づくこともありました。
面白かったところについて2つ紹介します。
否定は反対のことではない
例えば、「好き」の反対は「嫌い」ですが、「好き」の否定は「好きではない」となり、この言葉には「好きでも嫌いでもない」も含まれているので、必ずしも「嫌い」とイコールではありません。
また、「掃除をすべきである」の反対は「掃除をすべきではない」ですが、否定は「掃除をしなくてもよい」となり、「掃除をしてもしなくてもどっちでもいいよー」という意味になります。
「べき」は中学の英語で習った「must」と「have to」を思い出しますね(^^)
反対と否定は日常生活で混合して使っているなーと思いました。
日本語の条件文には時間の経過を含むものがある。
対偶を覚えているでしょうか?
「AならばB」という条件文があるとき、対偶と呼ばれるものは「Bでないならば、Aではない」というものです。
例えば、「20歳以上は成人である」という命題があれば、対偶は「成人でないならば、20歳未満である」となります。
しかし、条件文を対偶にしたとき、おかしくなってしまうことがあります。
例えば、「風が吹けば桶屋が儲かる」という条件文を対偶で書くと、「桶屋が儲からないならば、風は吹かない」となり、桶屋が儲からない限り風は吹かない(!?)ということになってしまいます。
このように、日本語の条件文には時間の経過が含まれているものがあります。
「Aの後に、Bが起こる」ということを条件文で書いてしまうのですね。
ただ、実際の論理学では時間の経過は含まれないそうです。
何かを勉強するときは日常の例を考えるとよいと言いますが、論理学を勉強するときは少し注意が必要ですね。
まとめ
以上、面白かったところを2つ紹介しました。
あと、2つ興味を引いた部分があったので、
記事を新たに書きました。
東大生の100%が水を飲むなら、水を飲めば東大に入れる?
「今日はお好み焼きだから、焼きそばを買おう」…これ、通じますか?勉強で分からなくなる原因(その1)
本書は、
- 論理学に興味がある人
- 高校数学の証明問題に興味がある人
にオススメの本です。
本日紹介した本
仲島ひとみ著、野矢茂樹監修(2018)『それゆけ!論理さん』筑摩書房