嗅盲というものがあるらしい。

2018年12月17日月曜日

五感の科学 五感の科学:嗅覚 恋愛心理学

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嗅覚とは?


色盲という、特定の色が認識できない障害があります。

最近は、「色盲」が差別用語だと言われており、「色覚異常」と呼び方が変わりました。

けれど、それも差別的に聞こえるということで、「色覚特性」や「色覚多様性」と言うそうです。


その色盲は目の障害ですが、嗅盲という鼻の障害も知られています。



正式には特異的無嗅覚症と呼ばれ、特定のにおいを感じない障害です。

嗅盲の代表的なにおい物質は、イソ吉草酸(足の裏の匂い、納豆の匂い)やアンドロステンです。
それぞれの物質について見ていきます。


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イソ吉草酸は足の裏の匂いや納豆のにおい


イソ吉草酸は足の裏の匂いや納豆の匂いに含まれているにおいだそうです。

嗅盲の人はこのイソ吉草酸のにおいはすごく濃くしないと嗅げないという研究がありました。
もしかしたら、足の裏の匂いが好きという人はこのイソ吉草酸に対して嗅盲かもしれませんね。


アンドロステンはトリュフのにおい


アンドロステンはトリュフに含まれているにおいです。

このアンドロステン、実はブタの性フェロモンでオスの唾液中に含まれています。
メスブタはこのオスの性フェロモンのにおいを感じるので、トリュフ探しに使われています。

人の場合、アンドロステンのにおいは、尿のような不快に感じる人、甘い花のように感じる人、何も感じない人の3種類います。

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ヒトの性フェロモン発見?


ヒトにはフェロモンがあるのか?という問題がありますが、アンドロステンがヒトの性フェロモンではないか?ということが言われており、以下のような証拠があります。


  • アンドロステンは、男性の汗や唾液に女性の50倍も含まれている。
  • 男性の方が女性よりもアンドロステンに対して嗅盲。
  • 女性は排卵期前後にアンドロステンのにおいをより不快ではないと感じる。
  • 女性がアンドロステン類似物質のにおいを嗅ぐと視床下部が活性化する。


また、椅子にアンドロステンのスプレーをかけたところ、女性はその席に好んで座ったという研究もあります。
合コンとかで使えそうですね!


まとめ


今回の記事をまとめると以下のようになります。


  • 特定のにおいを感じない嗅盲という障害がある。
  • たとえば、足の裏の匂いや納豆の匂いに含まれているイソ吉草酸、トリュフに含まれているアンドロステンがある。
  • アンドロステンがヒトの性フェロモンではないか?ということが言われている。


また、嗅盲は遺伝すると言われているので、家族で嗅盲ということもあるかもしれませんね。


参考文献


・新村芳人(2018)『嗅覚はどう進化してきたか』岩波書店
書評も書きました→「二酸化炭素には匂いがある?一番匂いに敏感な動物は?『嗅覚はどう進化してきたか』を読んでみた。

自己紹介

あっきー

大学4年間で1,000冊読了。このブログでは、心理学、生き物などのオススメ本について紹介していきます。

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