蚊に刺された跡に爪でバッテン×をつけたことがある人は多いと思います。
×をつけると、かゆみが減る気がしますよね。
実はこの×をつけるのは科学的に効果があるらしいのです!
今回の記事はその科学的な事実について解説していきます。
感覚には優先順位がある。
複数の刺激が同時に受けられると、各感覚には優先順がつけられます。
そして、優先順位が高い感覚をより強く脳に伝えます。
皮膚感覚の場合には、一番重要とされる感覚は関節位置覚です。
これは、関節が動いたときの感覚です。
次に重要とされる感覚は触覚と振動覚。
その次が痛覚や温度覚で、かゆみは一番下位になります。
このように感覚の優先順位が決まっています。
なので、運動をしていると痛みを忘れたり、かゆみがあるときに、叩いたりつねれば痛覚により、かゆみを抑制します。
このことから、×をつけると痛みによってかゆみを忘れるということがわかります。
冷たいものをかゆいところに置くとかゆみが抑制される理由
上記で書いたように、温度覚はかゆみよりも上位の感覚です。
なので、かゆいところに冷たいものや温かいものを置くとかゆみが抑制されます。
これに加えて、冷たさがかゆみを抑えることには、もう1つ理由があります。
冷たさには、かゆい部分の炎症を抑える効果があります。
以上の2つの理由
- 感覚の優先順位の原理
- 冷たさが炎症を抑制
により、冷たさでかゆみが促成されます。
以上のような効果があるので、冷たさを感じるメントールもかゆみ止めとして使われているそうです。
参考文献
柿木隆介著、高森賢治監修(2017)『世界に「かゆい」がなくなる日』ナツメ社
本書を紹介している記事です→「かゆみの原因は?抑えるためには何をすればいいの?『世界に「かゆい」がなくなる日』」