ヒトとイヌの皮膚は以下の3つの点で異なっています。
- pH
- 汗腺
- 皮下脂肪
今回の記事では、それぞれを見ていきます。
pH
ヒトの表皮は弱酸性で、イヌの表皮は中性から弱アルカリ性となっています。
実は、皮膚のpHは酸性の方が外部刺激に強くなっており、細菌などが皮膚に侵入するとき、酸性なほど体を守ってくれます。
逆に、細菌は弱アルカリ性のほうが増殖しやすいそうです。
汗腺
また、ヒトの皮膚には汗腺があり、汗を豊富に出せるという特徴があります。
汗は気体に変わるときに気化熱を放出し、体の表面の温度を下げてくれます。
反対に、イヌは体のごく一部からしか汗を出すことしかできないので、汗だけで体温調節をすることは難しくなります。
そこで、イヌの場合は、口を開けて舌を出すことで、体温調節をしています。
皮下脂肪
そして、ヒトはイヌよりも皮下組織が多くあります。
皮下組織はいわゆる皮下脂肪のことで、栄養の貯蔵や保温の効果があります。
ヒトは全身に長い毛で覆っていませんが、この皮下脂肪(と服)で体温を保っているのですね。
まとめ
以上のように、ヒトはイヌと異なった皮膚を持っていますが、長い進化の中で生き延びやすい皮膚を手に入れてきたことがわかります。
参考文献
柿木隆介著、高森賢治監修(2017)『世界に「かゆい」がなくなる日』ナツメ社
本書を紹介している記事です→「かゆみの原因は?抑えるためには何をすればいいの?『世界に「かゆい」がなくなる日』」