匂いで昔が思い出される現象の名前。濃度で匂いが変わる⁉

2018年12月22日土曜日

五感の科学 五感の科学:嗅覚 心理学

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『嗅覚はどう進化してきたか』(新村芳人, 2018)に載っていた面白いことをたくさん記事に書いてきましたが、あと少し書きたいなーと思ったことがあったので書いていきます。




目次



  • 匂いで昔が思い出される現象の名前
  • 濃度で匂いが変わる⁉
  • エナンチオマーとは


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匂いで昔が思い出される現象の名前


懐かしい匂いを嗅いで昔のことを思い出したりすることがあります。

実は、その現象には「プルースト現象」という名前がついています。


濃度で匂いが変わる⁉


スカトールという匂い物質があります。
スカトールは名前の通り、うんちの匂いがします。

でもこれは、濃度が高いときの話。
濃度を薄めていくと甘い花の香りになるらしいです。

実際、ジャスミンやオレンジの花にはスカトールが含まれているそうです。

どうして濃度が異なると匂いが変わるのでしょうか?
それは、スカトールに低濃度で活性化する受容体と高濃度で活性化する受容体があるからです。
低濃度のスカトールは、低濃度で活性化する受容体から脳に甘い花のにおいを伝えます。
一方、高濃度のスカトールは、高濃度で活性化する受容体からうんちの匂いを脳に伝える仕組みになっています。


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エナンチオマーとは


エナンチオマーという分子の種類があります。
これは、2つの分子が同じような構造をしているのですが、互いに鏡に映した構造をしているという点で違う分子です。
このエナンチオマーの分子の中には、匂いを持つ分子が存在しています。
エナンチオマーの分子はたがいに非常によく似た匂いを持ち、ヒトはなかなか区別ができないらしいです。

しかし、ゾウは訓練によって、高い確率でエナンチオマーの互いの匂いをかぎ分けられるということが実験から分かったらしいです。
やっぱりゾウは鼻がいいんですね。


参考文献


・新村芳人(2018)『嗅覚はどう進化してきたか』岩波書店
面白い内容でした!書評も書きました→「二酸化炭素には匂いがある?一番匂いに敏感な動物は?『嗅覚はどう進化してきたか』を読んでみた。

自己紹介

あっきー

大学4年間で1,000冊読了。このブログでは、心理学、生き物などのオススメ本について紹介していきます。

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