細胞って電気持ってるんだって! ―初心者でもわかるといいな。な神経科学(第5回)
今回は、また新たに話が変わって、シナプスについてみていきます。
2-3. シナプス
マインドマップについての書かれているものを読んでいるとたまに「マインドマップは脳な中のニューロンが絡み合っているように描くので、これは脳の構造に合ったなんちゃらかんちゃらだ!」みたいな文を見たことがあるんですけど、マインドマップは枝をくっつけて書くのに対して、ニューロンがつながっているシナプスは実はシナプス間隙という隙間があるから実際はつながっていないんだよなぁと思ったり。ここでは、シナプスについての用語とどのようにシグナルを伝えるのかの仕組みについてみていきます。
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2-3-1. シナプスの用語
シナプスは2つの神経細胞の片方の軸索ともう片方の樹状突起がつながっている部分を指します(図1)。![]() |
図1 |
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図6「シナプス関わる用語」 |
シナプスには2種類あります。それぞれ電気シナプスと化学シナプスと呼ばれます(図7)。
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図7「電気シナプスと化学シナプス」 |
電気シナプスのシナプス間隙は4 nm、化学シナプスは20~40 nmとなっています。
電気シナプスはその名の通り、シナプス前細胞に流れてきた活動電位をシナプス後細胞に伝えます。
化学シナプスは活動電位がシナプスに到着すると、なんやかんやあって、神経伝達物質をシナプス間隙に放出し、それをシナプス後細胞が受け取ることによって電気を伝えていきます。
また、電気シナプスは情報をすぐに伝えるのに対し、化学シナプスは通常1~5 msの
イメージとしては図8のようになります。
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図8「電気シナプスと化学シナプスのたとえ」 |
化学シナプスの場合は、電車は軸索の末端まで来ると、人はいったん降りてシナプス間隙を歩き次の細胞の電車に入らないといけません。
まとめ
- シナプスの軸索側の細胞をシナプス前細胞、樹状突起側の細胞をシナプス後細胞、その2つの細胞の間の細胞外をシナプス間隙という。
- シナプスには電気シナプスと化学シナプスという2種類がある。
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参考文献
- カンデル神経科学