実際に聞いてみると、本に書かれていることとは真逆の意見や現在の女子とは違う考えを持っていたことがわかり、とても面白かったです。
母とブルマーの話をする息子…仲がいいですね(笑)
なぜ聞いたかというとブルマーについて調べていたからです。
ブルマーの言葉の由来ってなに?日本にどうやって来たの?
ブルマーって恥ずかしいのにどうして広まったの?
ブルマーっていつ消えたの?どうして無くなったの?
良ければこれらの記事も読んでみてください。
目次
ブルマーは着ていて恥ずかしくなかった?
当時、スカートの中のブルマーが見られるとき恥ずかしかった?
「ブルマーの着用反対!」と思ったことはある?
まとめ
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ブルマーは着ていて恥ずかしくなかった?
まず、ブルマーを着ているとき恥ずかしくなかったかどうかを聞きました。
母に聞いてみたところ、「恥ずかしくなかったよ」とのこと。
「えっ?そうなの!?」
『ブルマーの謎』や『ブルマーの社会史』なんかを読むと、「ブルマーがずれて下着が見えて恥ずかしかった」とか「ブルマーからおしりのほっぺたが見えた」、「恥ずかしくてシャツを出してブルマーを隠していた」なんて思い出が書いてあって恥ずかしいんだなあと思っていましたが、全員がそうではなかったんですね。
ちなみに、シャツはしまうように指導していた学校もあったらしいです。
(余談ですけど、「おしりのほっぺた」って表現かわいいですよね)
母の場合、
・高校のときは女子高で異性に見られることがなかった
・世間でブルマー反対の声がまだ大きくなかった
ということが恥ずかしいと思わなかった理由なのかな、と思いました。
ただ、体育のときに生理で血が股からつーっと出ている女の子もいたそうで、それは女子高でも恥ずかしいことだったそうです。
あと、女子大生に「ブルマーを着れる?」と聞いてみたところ(セクハラじゃない)、「恥ずかしくて着れない」とのことでした。
当時、スカートの中のブルマーが見られるとき恥ずかしかった?
次に写真をご覧ください。
1932年に撮られた偏平足の測定の様子の写真(『ブルマーの謎』より引用) |
それを、少女たちもカメラマンも気にしている様子はありません。
この写真を母に見せたところ、母が小・中・高だったときの感覚だったら恥ずかしいと思わないそうです。
今の女の子はスカートの中に黒パンをはいていても恥ずかしいと思いますよね。
やはり昭和と今の感覚は違うみたいです。
当時の男の子と現代の男の子がスカートの中の黒パンを見るとどう思うのかってことも気になりました。
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「ブルマーの着用反対!」と思ったことはある?
女子生徒からのブルマーを着たくないという声は1960年代からあったそうです。
でも、個人の問題として学校内で処理されてきました。
社会問題になってきたのは1990年代になってからで、たとえば、1988年に愛知県立名古屋西高校ではブルマーの着用の義務に反対し、署名運動を行っています。
また、1995年に愛知県稲沢東高校では生徒会がブルマー改善を強く求めていた記事が中日新聞に載っているそうです。
母に、「ブルマー反対の声はあった?」と聞いたところ、「そもそも体育のときに着るものがブルマーしかなかったから『着たくない』なんて思わなかった」と答えをもらいました。
たしかに制服は最近だと「女子もズボンを選べるように」という声がありますが、以前は「女子はスカートの制服」と決められたことをわざわざ不思議に思う人は少数派だったように「ブルマー着たくない」というのも少数派だったのかなと思います。
また、海外だと体操着は自由の国が多いらしいですが、日本は赤白帽子なんてダサい帽子をかぶっていても不思議に思う人は少数派で、かぶりたくないなんて言う児童・生徒は「わがままだ」と思われているんでしょうね。
まとめ
ブルマーってみんな嫌だったのかと思っていましたが、少数派の意見がどんどん広まって言った感じだったようですね。
本に書いてあることは面白かったのですが、当時を経験していた人の話を聞くと想像していたことと違っていて楽しかったです。
また、今ある校則やルールって当たり前に思っていて、ぞの奇妙さに気づきもしないんだなってことを実感しました。
歴史ってこういうことを知るためにあるのかな?
参考文献
山本雄二『ブルマーの謎 〈女子の身体〉と戦後日本』青弓社、2016年
高橋一郎萩原美代子谷口雅子掛水通子角田聡美『ブルマーの社会史 女子体育へのまなざし』青弓社、2005年